アパート建築Q&A

土地活用でアパートを建築するメリット

親から土地を譲り受けたり、家の敷地が広いので土地の一部を活用して、アパート経営をしてみようかと思っている方も多いことでしょう。
使っていない土地を活用してアパートの建築をすると色々なメリットがあります。
そのメリットとは具体的にどのようなものなのでしょうか?

土地活用でアパート経営するメリットは?

土地活用のためにアパート経営を考えている方は少なくありません。
その考えられるメリットについて見ていくことにしましょう。

○ アパートを運営することで収入を得ることができる

アパート経営をする人の多くは、長期的に仕事とは別の収入を得ることができます。
生活していく上で、長期的に何らかの収入が定期的に入ってくるというのは安定を感じることができ、大きなメリットとなります。
アパート経営は多額の投資も必要となるため、資金繰りなどの負担はのしかかってはきますが、常に部屋が満室状態で、借り手がちゃんと賃貸料を支払ってくれる期間が長ければ長いほど、投資に対するリターンも大きくなり利益が上がることになります。
アパート経営には当然リスクもありますので、できるだけ投資額を少なくしたいと誰しもが考えますが、元々持っている土地を活用しますので土地取得のために費用がかからないというのは大きな利点です。

会社に勤めている傍ら、自分の土地を活用してアパート経営をしていることで副収入が期待できますし、仕事を辞めてリタイアした後でも老後の安定した生活資金になるという訳です。
土地を持っている人にとってアパート経営は非常に魅力的と言えるでしょう。

○ 生命保険としての役割がある

生命保険は死んでしまった後、家族に支払われるものです。
自分が死んだ後に家族が経済的に困らないように生前に保険を掛けておくのが一般的です。
アパート経営をするために不動産物件を取得しますが、アパートという不動産がオーナーさんの資産になります。

もちろん、この資産を取得するために多額の資金を銀行から借り入れる場合も多いのですが、住宅ローンを契約する時に団体信用生命保険という保険に加入していれば、オーナーさんが万が一、ローンの支払いを残して死亡した場合や高度障害状態になってローンを支払うことできなくなった場合でも、残った住宅ローンが保険で支払われます。
死亡保険金を支払う代わりに、アパートを取得するために借りたお金の支払いを保険会社が行ってくれるという仕組みです。

このような保険に入っていれば家族に多額のローンが残りませんので、オーナーさん自身も家族の皆さんも安心です。
オーナーさんが亡くなったとしてもローン返済が済んだ不動産が遺族に残されますし、引き続きアパート経営を家族の方が行うことで定期的な収入源になります。
オーナーさんはアパートを資産として家族にそのまま残すことができるので安心です。
アパート経営をすることで生命保険の代わりを担えますので、心強いものになります。

○ 節税対策になる

土地活用でアパート経営をする場合、節税対策にもなるので税制について良く知っておく必要があります。
まず、アパート経営をする土地がどんな土地であるかが重要です。

アパート経営を予定している土地が住宅として利用するためのものでなく、駐車場や遊休地といった非住宅用の土地である場合、固定資産税が6倍になります。
住宅用の土地となると6分の1に固定資産税が抑えられるということです。
アパートを建てようと考えている土地が住宅用の土地ならば固定資産税の節税にはなりませんが、非住宅用の土地ならば固定資産税が6分の1に抑えることができます。
土地活用しようとしている土地の区分はどのようになっているのか確認することが大切です。
また、アパートの建物にかかる不動産取得税も一定の条件を満たせば1200万円が評価額から控除されることによって、課税対象になりません。
初年度は所得税や住民税も減価償却で定率法を併用することで節税できます。

他にも都市計画税が1戸200平方メートルまで3分の1になります。
一番、節税の意味が大きいのは相続税です。
貸し家付き地として評価減が受けられますし、小規模宅地などの評価も特例として認められています。
建物の建設にかかった債務は全額控除されますし、借家権利割合分の評価も減額されます。

このように考えると使っていない土地を利用することによって、色々な面で節税対策になることが多いので賢く節税することができます。
しかし、アパート経営は1つの事業をオーナーさん個人が行うということです。
税制的に優遇されて節税になるということもありますが、賃貸ニーズが市場と合わない場合、アパート経営をしても入居者がなく赤字経営になることもあるのです。
節税面と収入面を総合的に判断してアパート経営を行うことが大切です。
税制や法律のことはなかなか素人では分からないこともありますので、不動産のプロや銀行などでしっかりと相談しましょう。

○ 資産を経済変動に強い不動産で持つことができる

アパートなどの不動産としての資産は経済が不安定な時でも現物資産ですので、評価額の変動が少ないのが魅力です。
物価が上昇すると貨幣価値は簡単に下がってしまいますが、不動産の価値は比較的安定しているのでインフレ対策として有効であると考えられます。
アパート経営は長期的に安定した収入が期待できます。
一般的にアパート経営の利回りは都市部では10~15パーセント、郊外では7~10パーセントほどですが、近年のアパートの建物の耐久性が以前よりも長くなっているので、使用状況がよければ長期の資産形成ができます。

○ 土地を購入する必要がないので、少ない資金で始められる

アパート経営をして長期的に安定した収入を得たいと考えている人はたくさんいますが、土地も建物も全くない状態からアパート経営を始めるには、かなりのパワーとある程度の資金が必要です。
もし土地がない場合は土地探しを行い、土地を購入してアパートの建物を建てる必要がありますが、それなりの建物を建てるわけですからある程度まとまった資金が必要になります。
もちろん資金に余裕があるという人は特に問題はないのですが、多くの人はアパート経営のために多額の資金を銀行から借り入れます。
つまり長期的に安定した収入を得るために、多額の負債というリスクを抱えるのです。

負債は誰でも抱えたくはありませんし、その額はできるだけ少ないものにしたいものです。
そう考えると、アパート経営のための土地を既に所有しているという人は、全くない人に比べて負債の額が半額程度になるということです。
初期投資の額が少ないというのは非常に嬉しいことですし、オーナーさん自身がアパートの家賃収入からローン返済できるので負担が少なくなります。

土地活用でアパート経営が向いている人とは?

メリットの多い土地活用でのアパート経営ですが、アパート経営が向いている方とは一体どんな土地を持っている方なのでしょうか?

○ 賃料相場が高い場所に土地を持っている人

土地活用したいと考えている土地にアパートを建てて経営する場合、どの程度の賃貸料が見込まれるのかということは非常に大きなポイントになります。
その土地の周りの賃貸物件の相場を調べてみて高い賃貸料が見込まれる場合は、アパート経営に向いている土地であると言えます。
自分の土地よりも少し範囲を広げて賃貸料の相場を調べてみましょう。
土地をそのまま置いているよりも、利益が見込まれますし、節税対策にもなります。
また人が住んでいることで安全性もアップしますので、土地管理面でも有利だと言えます。

○ 土地の評価額が高いエリアに土地を持っている人

都市部など土地のある地域のブランド力が高く、土地をそのまま置いていると固定資産税が高かったり、相続した時の税金が負担になるという悩みを持っている人は、その土地でアパート経営をすることで大きな節税対策になります。
自己資金があまりないという人も、土地をそのまま置いておくと、多額の税金ばかりがかかって資産はどんどん減少していきます。
アパート経営にはリスクも当然ありますが、土地を守りたいと考えるのであればアパート経営での土地活用を考えてみるべきです。
アパートを建てる資金がない人でも、土地の担保評価が高いことで金融機関からの融資も比較的簡単に受けることができます。
専門家にどの程度の資金でアパート運営を始めることができるのか、どの程度の節税対策になるのか詳しいことを相談してみましょう。

○ 住環境が良い人気のエリアの土地を持っている人

どの地域にも非常に住環境が良いと言われているエリアがあるものです。
閑静な住宅地で住人の生活レベルが高い地域や評判の良い学校の校区内であったり、近くに生活に必要な施設が充実していて便利な人気のエリアに土地を持っているという人は、アパート経営に最も向いている土地を持っていると言えるでしょう。
住環境が良いとされているエリアで自分の土地が日当たりの良い低層エリアにあったり、駅から徒歩で10分以内の好立地にあるならば賃貸ニーズは常に高い状態になり、長期に渡り満室のアパート運営ができることが期待できます。
もし、中高層建築でも可能であるエリアならば、アパート経営の規模をもっと大きくしたマンション経営にも向いている土地であるとも言えるでしょう。

○ 相続税を考えて土地活用をしたいと思っている人

親が他界した後に残った土地の相続税について悩んでいたり、遊休地の状態で相続をすると多額の相続税がかかるので心配しているなど、相続税を抑えたいと考えているのであれば、アパート経営をおすすめします。
相続税の対策として一番有効な手段は住宅用として土地活用をしているということです。

確かに、リスクも考えられるアパート経営をするということに躊躇する方もいると思いますが、もしアパート経営の収入が大きくなかったとしても相続税の節税効果を含めて考えるとプラスになるという場合は相続税対策としてアパート経営をしてみると良いでしょう。
詳しい収支や税制のことは専門家に相談してみると良いでしょう。
長期に渡るシミュレーションを明確にしてもらえるので、ある程度具体的に理解できるようになります。

○ 長期に渡って安定を重視した土地活用を期待している人

土地があるからと言って、アパート経営にすぐに踏み切れる方ばかりではないでしょう。
しかし、使っていない土地でも何とか土地を残そうとすると税金ばかりがかかってしまうので、この状態を何とかしたいという人はアパート経営をすることで安定した収入を得ることができます。
また、土地活用方法としてアパート経営をすることも考慮に入れてみると良いかもしれません。

土地があるからと言って全く賃貸物件としてニーズがない場所にアパートを建ててもアパート経営は成り立ちません。
しっかりと市場調査を行ったうえで長期に渡って土地所有を維持できる収入が見込まれる場合は、アパート経営に取り組むと良いかもしれません。
賃貸需要があるのかないのかなどは専門家に相談してみたり、付近の不動産の賃貸状況を調べてみましょう。

土地活用でアパート経営をするかどうかを調査する!

土地活用としてアパートの経営を考える場合、やはり運営に向いている土地であるか調査することは大切です。
どんな内容をまずは検討してみると良いのでしょうか?

○ 法律上その土地でアパート建築ができるのかどうかを調べる

アパートを建てられるだけでの広さがある土地を持っているからと言って、全ての土地にアパートを自由に建てて経営してよいという訳ではありません。
土地は法律や行政の指導などで規制を受けていることもあり、自分の土地であっても好きなように建物を建てられないことがあります。
例えば、所有地が工業専用地域にあると住宅であるアパートは建築できません。

また、都市計画法という法律でこれから街を整備していくために、地域ごとに立てる建築物を整備している場合があります。
市街化を進める市街化区域、市街化を抑制する市街化調整区域、建築可能な建築物の種類を制限する用途地域などが自治体によって既に定められている場合があり、自分の土地がその指定地域に指定されている場合は自由に建築物を建てることができません。

自分の土地がどのような土地であるのかとうことは、各自治体の役所に担当部署がありますのでぜひ事前に調べておきましょう。

○ 所有する土地のエリアに賃貸需要があるのか調べる

土地活用でアパート経営をしたいと思っていても、所有する土地周辺のエリアにアパート需要がないと赤字経営になってしまって何のためにアパートを建てたのか分からなくなります。
アパート経営をするということは自分が事業者になるということですので、その責任も全て自分にかかってきます。
分からない、知らなかったという訳にはいきません。
また、アパート経営の斡旋業者や金融機関に勧められるがまま、人任せでアパート経営を行って失敗してしまった場合もアパート経営斡旋業者や金融機関は何の責任も負ってくれません。

このような悲劇を避けるためにも、自分自身の目でしっかりと賃貸アパートの需要状況を調査しましょう。
インターネットなどで賃貸物件の情報はたくさん出ていますし、実際に付近の不動産屋さんを尋ねて状況を調査するのも良い方法です。