アパート経営の利回りは賃貸収入が多く、費用や税金などの支出が少ないほど高くなります。
土地活用でアパート経営を行う場合は、土地を購入する必要はありませんがアパートの建物は新しいものを建築する必要があり、新しい物件なので家賃収入は期待できます。
また、中古物件の場合は物件の所在地や築年数によって現段階での利回りは良くても修繕費が予想外にかかってしまうこともあります。
では、一般的にアパート経営をする場合の平均はどれぐらいなのかということが気になりますが、平均すると5~6パーセントほどだと言われています。
中古物件は新築物件よりも賃貸価格が低いケースが多いですが、購入価格は新築と比べると低いケースがほとんどです。
また、地方と都会とを比較するとアパートの購入代金は地方の方が安い場合が多いようです。
このようなことから地方の中古アパートの利回りが10パーセントを越える場合も珍しくありません。
中古物件を購入する際は、大規模な修繕が必要になる場合もあるので過去の修繕の記録などをしっかりと見極めた上で判断してみましょう。
大規模修繕は一般的に10~15年に1回で行うのが一般的と言われています。
利回りだけで判断するのではなく、実際の物件の状態を良くみて判断することも非常に大切です。
自信がない場合は、専門家に見てもらうということも必要になってくるかもしれませんね。
アパート経営の利回りは理解いただけたと思いますが、その利回りを考える上で注意しなくてはならない点についても、少し触れておくことにしましょう。
○ 空室
アパート経営を行うために利回りを計算しますが、そのほとんどが空室のリスクを考慮していません。
将来的に人口が減っていくと考えられるエリアやアパートやマンションの賃貸物件が多いエリアは競争も激しくなりますので、よく調べて計算上の数字と大きくかい離していないか調査する必要があります。
○ 経済状況
不動産物件の価格は、経済状況から影響を強く受けます。
特に土地の価格は時期が違うだけで大きく上下に変動します。
また、アパートを購入しても価格が急激に下落することもあります。
立地条件の良い物件は、利回りも低いですが、長期的に安定した家賃収入を見込めます。
○ 金利上昇
アパート経営以前に利回り計算をした時よりも金利の利率が上昇した場合、利回りは悪くなります。
しかし、金利の上昇は予想することが難しいため、金利が上昇することをある程度想定してローン返済を組む必要があります。
予想外に金利が上昇することでローン返済ができずに経営破たんすることがないように、余裕を持って計算しておくと良いでしょう。
○ 家賃相場が下落する
表面利回りの家賃収入が、家賃相場が下落したことによって目安の数字と大きくかい離してしまうということがあります。
アパートの周辺の環境が急激に悪くなったりすると住人が転居してしまうことも珍しくありません。
アパートの建物を良く見ること、立地条件を見ることも大切ですが、周辺の住環境などもしっかり確認することが重要になってきます。
近隣住民の様子や近隣の施設の評判を調べて、甘い利回り計算になっていないか確認するようにしましょう。
土地活用でアパート経営をする場合、どの程度の費用がかかり、どの程度の収入が得られるかということは、あくまでも憶測のものであるということを理解しておくことが重要です。
もし中古のアパートを購入してアパート経営をするならば、現段階のアパートの経営状態の実態がある程度見えるので想定しやすいのですが、元々ある土地の上にアパートを建設してアパート経営をしようとしている人は、アパート経営を斡旋してくる業者が提示する利回りの数字を甘く見てしまうと後で大失敗をすることもありますので、その利回りは、何をどのように見積もって計算した利回りなのかということをしっかり説明してもらい理解することが大切です。
不動産会社やアパート経営を斡旋しようとする会社、融資をしたい金融機関はアパート経営の話を進めたいので、オーナーさんをその気にさせるような良い利回りの数字を出してきます。
もちろんアパート経営のリスクを説明する義務もありますが、勉強不足で実状を分かっていない素人相手に都合の良い数字だけを並べて説明するのは常等手段であると考えておきましょう。
あまりに利率の良い数字を提示された場合こそ、ゆっくり丁寧に説明をしてもらうと良いでしょう。
また、その場ですぐにその気にならずに、一旦持ち帰って時間をおいて冷静に判断したり、他の業者さんや専門家に相談してみて信頼できる数字であるかどうか見極めることも大切です。