アパート経営に興味があっても、「自分みたいな素人が・・・」「特別な知識もないのに・・」
と思って諦めている方も多いのではないでしょうか?
確かにアパート経営は法律や税制、銀行からの融資など色々な専門的な内容が大きく関わってきますので、その道のプロである会社などがプロジェクトとして取り組んでいることも多いものです。
しかし、周りを見回してみると個人でアパート経営をしているというオーナーさんも決して珍しいわけではありません。
結論から言うと、アパート経営をするにあたって、オーナーさんが持っている必要がある特別な資格と言うものはありません。
しかし、長期的にアパート経営を有利にしたり、収入増が期待できるような経営をするためにはオーナーさん自身がしっかり勉強して持っていた方が望ましい資格はあります。
アパートを経営するにあたって、オーナーさんが持ってなくてはいけない資格はありません。
元手となる資金調達さえできれば特別な資格がなくてもアパート経営をすることが可能です。
しかし、アパートを建築するための土地を選んだり、アパート建築工事を請け負う工務店との請負契約、銀行から融資を受ける金銭消費貸借契約、アパートで暮らす入居者との不動産賃貸借契約など、内容がかなり専門的で難しい契約を正式に交わす必要がある場面が多いのも事実です。
もちろん無資格でもアパート経営の話を進めることはできますが、例えば、建設中に私たちの身近な病気でもある認知症を患った場合などには、その後のためにも成年後見制度などしっかり備えを準備しておく必要があります。
アパート経営をするためにオーナーさんが必要な資格はありませんが、アパート経営は建物を建てて人に貸せば済むという簡単な問題ではありません。
アパートを建築するために土地から取得する必要があります。
また、アパートを新しく建築する場合にも規定があります。
不動産物件の取得には多額の費用がかかることが予想されますので、銀行から融資をしてもらったり、不動産取引に対する法律や税制の知識なども必要になってきます。
誰でも無資格でアパート経営する権利はありますが、不勉強で不動産に対する知識がなかったり、税制や法律について何も知らないことによって騙されたり、損をしたりしたという話は良くある話です。
アパート経営をするともちろん利益が出ることもありますが、経営が成り立たず結局多額の借金だけが残ったというリスクもあります。
不動産会社や銀行や建築施工会社などは自分たちの利益を優先するので、アパート経営を夢見るオーナーさんは最高の顧客です。
その顧客であるオーナーさんに全く知識がないと知ると、自分たちが有利になるような話しを持ってきて契約させることもあります。
重要な契約内容をしっかり確認しながら話を進めるためは、オーナーさん自らが不動産や賃貸契約の法律や制度など難しい分野のことでもしっかり勉強しておくことが大切なのです。
オーナーさんにとってアパート経営の収入を得ることは非常に大切なことですが、そのためには何でも人任せにせずに自ら勉強して知識を付けること、可能であればアパート経営に有利な資格を取得することが大切になってきます。
では、アパート経営を考えるにあたって、どんな資格を持っておくと安心、有利と言えるのでしょうか?
役立つ資格について見ていくことにしましょう。
○ 宅地建物取引士
宅地建物取引士とは俗に、「宅建」と言われている資格です。
不動産取引をするときには必ず必要になる資格なので、不動産関係の仕事をしている人はこの宅地建物取引士の資格を有している方が大半となります。
宅地建物取引士の試験は毎年20万人前後の受験者数があり、合格率は15~17パーセントほどとなっています。
国家資格ですし、宅地建物取引士の資格があると不動産売買や賃貸物件の斡旋をお客さんにするための土地や建物の専門知識を得ることができます。
また、不動産売買などの重要事項説明書に記名押印したり、契約書への記名押印ができるようになります。
専門学校に行って勉強するという方法もありますが、資格取得のための専門書を買ってきて独学で勉強し資格を取得するという人も珍しくありません。
この資格があると建設会社や不動産の担保評価をして融資を行う金融機関、不動産会社や不動産管理会社の専門家が扱うような専門的な知識を習得することになり、アパート経営全般を支える大きな資格になるといっても過言ではありません。
宅地建物取引士の資格取得には不動産に関する法律全般をマスターする必要がありますし、民法や宅地業法などに関する法律をはじめ、土地や建物の種類、構造、権利、法令などを細かく勉強する必要があります。
アパート経営を考えているオーナーさんが知っておくべき情報の詰まった資格です。
しっかりとした国家資格である宅地建物取引士の資格の知識を持っていることで、オーナーさん自身でも一つ一つの契約などをチェックし、納得することができますし、資格取得者であるオーナー志望の顧客に対して不動産会社や銀行や工務店も上手にでることはできません。
アパート経営のオーナーとして知識を得るために宅地建物取引士の勉強をするのであれば、絶対に資格試験に合格しなくても十分と言えるでしょう。
この資格の勉強をするだけで、アパート経営のノウハウ、知識が身につくという意味でおすすめの資格です。
○ 不動産実務検定
不動産実務検定は以前、賃貸経営実務検定と言われていました。
この賃貸経営実務検定は賃貸住宅のオーナー対象の資格だったので大家さんの多くが取得していました。
一般財団法人である日本不動産コミュニティーが運営する資格で国家資格ではありませんが、アパート経営をしっかりと運営したいオーナーさんや、不動産投資で収入を得たい人、不動産のコンサルタントとしてのしっかりとした知識を持ちたいという人のための資格です。
1級と2級がありますが1級の方が難易度も高く、1級の合格率は50パーセント弱、2級は6割強です。
それぞれ年に4回以上の受験ができますし、合格率も比較的高いので、これからアパート経営をしたいと考えている人はぜひ勉強して欲しい資格の一つです。
1級までは大変というひとは2級のアパート経営の実務だけでも勉強する価値があると思います。
尚、不動産実務検定はコンピュータによる4択の試験なので、ほとんど毎日受験することができますし、すぐに合否が分かる手軽さも良いところです。
◎1級
・ ライフプランニングごとの投資スタイル
・ 不動産投資実務全般
・ 不動産の調査
・ 不動産に関する法律
・ 借地取引の基礎
・ 競売の実務
・ 税務
・ 事業収支計画
・ 建築物の構造に関する知識
・ ファイナンス
など不動産投資実務全般から出題されます。
◎2級
・ アパート・マンション経営に必要な法律知識
・ アパートを満室にするための法律知識
・ 満室を維持してアパート経営するために必要な管理実務知識
・ 賃貸借契約の種類と締結の方法
・ 色々な入居者に対する賃貸経営実務の知識
・ アパートのリノベーション、リフォームの知識
・ 税務
・ ファイナンス
など、アパートの賃貸管理運営に関する実務的な知識が必要です。
アパート経営をするにあたっての長期的なプランニング、税金対策、不動産投資、どうやって常に満室状態のアパート経営をするのかということを幅広く勉強することができます。
○ 管理業務主任者
管理業務主任者はマンションの管理会社として業務する場合、マンション管理の委託契約の時に重要事項を説明したり、マンションの組合に対してマンションの管理状況などを説明するための資格です。
法律によってマンション管理会社は、一定数の管理業務主任の設置を義務付けされています。
管理業務主任者とマンション管理士を同一のものと認識している人もいますが、管理業務主任者は管理会社側であり、マンション管理士は住人側からの立場での資格です。
管理業務主任者とマンション管理士の両方の資格を持ち合わせているという人が多いのですが、これは試験の出題分野が重なっている部分が多く、効率よく勉強することによって一気に両方の資格を取得しやすいからです。
また、さらに宅地建物取引士の資格もあわせて取る人も多いです。
マンションの管理適正化法を学び、建物や設備知識、管理組合の財産など幅広い知識が必要な資格ですので、アパート経営を考えている人には役立つ資格と言えます。
○ マンション管理士
アパートとマンションは法律上別のもので、マンション経営にはマンション独自の管理士の資格があります。
アパート経営をするにあたってマンションは関係ないと思うかもしれませんが、アパート経営が上手く行くとアパート経営のオーナーさんの多くは規模の大きいマンション経営に業務を広げるということも良くありますし、マンションの1室を購入して賃貸経営をするというパターンもありますので、アパート経営だけの知識よりもマンション経営の知識がある方が良いということが言えます。
日本国内ではマンションに住む人の数が年々増加しています。
しかし、その人数が増えれば増えるほどトラブルも増えていきます。
このトラブルを解決するためにマンションにはマンションごとの管理組合の設置が法律によって義務付けされました。しかし、この管理組合の運営は専門知識のない住人が行っていることが非常に多いのが実態です。
専門知識のない住人がマンションの会計処理の方法や運営コストの削減、建物の修繕をする業者の選定などを行うというのは実際には非常に困難なものです。
そこでマンション管理士がマンションの管理組合のアドバイスを行うなどが主な業務になります。
マンション管理士の仕事は住人の立場になって行うマンション管理業務なのです。
アパート経営を夢見る人にとって一見関係がなさそうな資格のようですが、不動産問題に関する幅広い知識を得ることができ、管理の知識も備えることができるため、ぜひ勉強して欲しい分野の資格でもあります。
○ ファイナンシャルプランナー
アパート経営を行う場合、多額の資金が必要になります。
アパート経営をする場合は長期に渡ってどのように資金計画を立てて、資金を動かしていくかという問題は避けては通れません。
また、アパート経営をしていると色々なリスクを抱えることにもなりますが、そのような場合どうやって乗り切るかということをアパート経営に取り掛かる前にある程度考えて備えておく必要があります。
ファイナンシャルプランナーはアパート経営を考える人に対してライフプランニング、資金計画、リスク管理、税金、不動、相続、金融資産運用などお金に関する問題をアドバイスする人のための資格です。
不動産投資を上手く行っていくためにもしっかりと資金計画を立てたり、不動産取得や売却に対する法律や税金や契約に関する知識は非常に大切です。
ファイナンシャルプランナーは主に金融関係の職種の人が取る資格ですが、アパート経営を予定している人は資金の収支などの計画を自分でしっかりと理解して契約することが必要となってきますので、ぜひ勉強して取得して欲しい資格です。
多額なお金を銀行から融資してもらうことで大きなリスクを負うことになりますが、どのようにローンを組めばいいのか、自己資金はどのくらい必要なのか、税金を少しでも少なくするためにはどのような方法があるのか、確定申告はどうするのかと言うような問題をすべて他に任せておくのは危険です。
アパート経営に関して融資はしてくれたとしても、オーナーさん自身を最後まで守るのはオーナーさん自身です。
難しい法律や税制に関することばかりで素人が勉強するためにはハードルも高いかもしれませんが、アパート経営を考える方が持っておくと非常に心強い資格でもあります。
○ 電気工事士など
アパート経営をするとリフォームや修繕が必要になることが多々あります。
アパート経営が軌道に乗るまでは時間がかかりますし、出来るだけ建物や施設に関わる費用は節約したいものです。
電気工事士の資格など建物のメンテナンスに関する資格や知識、技術があるだけでインターフォンの取り付けやIHコンロなどの不具合や取り付けが自分でできるようになります。
ちょっとした取り付け作業でも業者に委託するとかなりの費用がかかりますので、どんな費用が日頃かかってくるのか研究した上で、このような資格取得にチャレンジしてみるのも良いでしょう。