アパートを経営するにあたって、入居者のニーズに応えることは非常に大切です。
その中でも、アパートの間取りは特に気を使うべきです。
人気の間取りのアパートは入居率も高く、大きなキャッシュフローが期待できます。
アパートの建て替えに際して、今どのような間取りが人気なのか、しっかりリサーチしていきましょう。
一昔前は、単身用アパートと言えば15㎡ほどのワンルームで、ユニットバスがあり、少し料理ができるほどのキッチンと小さな収納スペースがあるものが多くみられました。
このようなアパートに住む人は、学生か単身のサラリーマンに限定されるため、アパートは寝るために帰ってくる場所という感覚が強く、シンプルでコンパクトな間取りでも十分対応できました。
しかし、現在はその事情もすっかり違ってきています。
大学生や単身世帯は、自宅にいる時間を大切にしている方が増えてきているため、できるだけゆとりのあるスペースとバス、トイレ別の間取りが人気になっています。
最近では物件探しもインターネットが主流となっているため、様々な物件を同時に比較できるので競争率も激しく、単身用のアパートでも広さとゆとりがある物件の方が、入居率も高くなっています。
子供がいない夫婦、共働き夫婦、30代以降で独身単身者という核家族も多くなっています。
このような人たちは十分な所得があり、自分の時間を大切にする傾向があるので住宅にも高い利便性、空間のゆとり、設備のクオリティーを求める人が増えています。
所有するアパートの立地場所が都心に近かったり、交通の便が良かったりする場合は、家賃が少々割高でもデザイン性に優れ、間取りにも少しゆとりのあるアパートがベストと言えるでしょう。
どのような形式の世帯でも、豊富な収納力のある物件は非常に人気が高くなります。
最近は洋服ダンスといった収納家具を持たない世帯も多くなっているので、アパート自体にウォークインクローゼットがある物件は注目されます。
ウィークインクローゼットでなくても、部屋ごとに収納があることも重要なポイントです。
また、玄関に靴箱がないとスニーカーやパンプス、ブーツ、傘といったモノでいっぱいになってしまうこともありますが、玄関一面にシューズクローゼットのような大型の収納があると、一気に玄関がすっきり片付くので、女性や子供がいる世帯には特に好まれます。
さらに、キッチンには食器や調理器具が入る引き出し収納の食器棚や食品を入れておくパントリーがあると便利ですし、洗面所やトイレにもそこで使う洗剤やタオル類などが収納できるスペースがあると、好評価につながります。
家族世帯には、開放的でゆったりしたリビングがあるアパートが好まれます。
特に、リビング、ダイニング、キッチンのすべての仕切りをなくしたオープン型のLDKは広い空間が確保できるため、人気です。
さらに、女性に好まれるのが、対面式キッチンやアイランド型のキッチンです。
家族や友人とコミュニケーションを取りながら、楽しく料理や後片付けができるのが魅力です。
しかし、オープンスペースとなるため、匂いや煙が家中に広がりやすく、その対策もしっかり確保する必要があります。
日本人は、やっぱり和室でゆっくりするのが好きですよね。
そんなこともあり、和室を完備したリビングも人気です。
特に小さい子供がいるような家族は、子供の遊び場や家族が寝ころべるスペースがリビングの横に少しでもあると重宝します。
間仕切りで仕切ると完全な個室になるので、来客があった場合でもちょっとした客間ができ、入居率が高くなります。
家族の色々なニーズに応じて、間取りが変化できるタイプのアパートも人気があります。
日中は間仕切りを収納して広いリビングとして使い、就寝時には間仕切りを移動させて小さな部屋にすることができる変形式タイプの間取りです。
生活時間が違う家族とも、ストレスなく過ごすことができるので、集客力が期待できます。
生活動線というのは、そこに住んでいる人が生活するために動くルートのことです。
特に、洗濯、炊事、掃除、買い物から帰った後の生活動線は、あまり意識していないかもしれませんが、非常に重要です。
生活動線が効率的になっているアパートで暮らしていると、ストレスをあまり感じることなく暮らすことができますが、生活動線を無視した間取りのアパートは住んでいてストレスを感じることになり、何となく暮らしにくく感じるものです。
また、できるだけ動きにロスがない間取りも大切ですが、例えば、洗濯機の横にちょっとハンガーを掛けておく物干し竿が備え付けられているだけで便利ですし、キッチンでほとんど動くことなく料理ができるようにコンロや調理台が配置されていたりすると楽ですし時間短縮にもなるため、入居率が上がります。
アパートの入居者はどのような人をターゲットにするのか、しっかり考えてから間取りを考えることが何より大切です。
いくつかのハウスメーカーや建設業者を巡ると、所有するアパートの地域性や世帯状況が分かってきます。
入居者のニーズに沿った間取りを専門家からアドバイスしてもらうことができますので、より参考になることでしょう。