アパート建築Q&A

大家の話(家賃収入アップの秘訣)

独自性を追求して、相場を無視した家賃収入 ~小野寺さん(仮名)~

今日は、土地を持たないサラリーマンの皆さんに朗報です。

地場企業に勤めるサラリーマンの小野寺さん(三重県・仮名)は、地元で土地を見つけて次々とアパートを建築している凄腕大家です。

土地を見つけてはハイグレードな賃貸マンションを建築し、利回りは常に10%超を達成されています。

本日はその秘訣を教えてもらいましょう。

さて小野寺さん、10%の秘訣を教えていただきましょうか。

小野寺:え・・?? いきなりそういう話をするんですか?何だかインタビューっぽくないですね。

-そうですか?では、普通のインタビューっぽいことも聞きましょうか・・・。小野寺さんがアパート経営に興味を持ったきっかけは?

小野寺:きっかけは、多くの人と同じように『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだことです。給料以外にも収入源が欲しいと思ってアパート経営を考えました。

中古の物件を探してみたのですが、あいにく地方には売り物件も少なく、銀行の融資姿勢も積極的ではありませんでした。たまに見つけた中古物件を持ち込んでも、耐用年数が短いという理由で融資が受けられません。

アパートローンという商品自体はあるのですが、土地を所有している地主さんが新築を建てる時しか対象にならず、それなら私も新築をやろうと思ったのです。

-銀行にはそれぞれ融資基準があって、いくらキレイで状態の良い物件でも、一定以上の築年数を経過しているとアウトですからね。

小野寺:はい。そこでショッピングセンターができて発展しそうな地域の売り土地を購入し、そこにグレードの高いマンションを建築しました。幸いこの土地値が安く自己資金で購入できたため、新築のための銀行融資は簡単に通りました。

-なるほど。ということは、利回り10%は建物分だけの計算でしょうか?

小野寺:いえ、建物・土地込みで10%あります。

-8.5%で合格点と言われている土地付き新築で、10%を超えるとは素晴らしいですね!

小野寺:あはは・・ありがとうございます。

-これで、インタビューらしくなりましたか・・・?では利回り10%の秘訣を聞きましょう。

小野寺:・・・・・。 秘訣という程ではありませんが、グレードが高い物件を建てたのがよかったんだと思います。 例えば最初に建築した物件は2LDKのファミリータイプで、1戸が65m2くらいなのですが、家賃を9万8千円頂いています。 実は同じ面積と間取りで比較すると、この家賃は格段に高く、普通の物件は7万円前後が相場です。

-7万円が相場のところを9万8千円とは、相場比で40%も高いですね!!

小野寺:そうなんです。 実はこの地域には大企業の三重支店に勤務される転勤族の方が多いのですが、彼らが『借り上げ社宅』として家賃補助の対象となる金額は非常に高く、この地域で10万円程度なんです。

10万円を超える物件はいくつかあるのですが、広さの制限というのもあるようで、家賃10万円の物件だと広すぎるとのことです。ですから、部屋の広さは借り上げ社宅基準以内に抑えて、その中で分譲住宅なみの設備を持たせて高い家賃をいただく作戦にしました。

説明図

-素晴らしい! ターゲットを絞り込んで競争力を上げるのは、まさに新築の王道です。

小野寺:ありがとうございます。万人向けに作って苦労をしているオーナーさんも多いようなので、転勤族に絞って建築したんです。

-なるほど!万人という人など実在しない。このインタビューを読んでいる皆さんも、万人をターゲットにしてはいけませんね。

小野寺:三重県で家賃10万円までを限度額にしている会社は、首都圏の限度額を14万円に設定しているんだそうです。私の知る限り、首都圏と地方の家賃格差は少なくとも2倍はあります。 このような『制度の歪み』を利用してみてはいかがでしょうか。

-その通りですね。ところで、例えば三重支店を持っている企業が撤退したり、自前で社宅を建築したりというリスクもあると思うのですが・・・。

小野寺:自前で建築するようなことはまずありません。1万人以上の社員がいるような大企業でも、三重支店や営業所には転勤族の社員は多くて数十人程度で、あとは地元採用なんだそうです。 社宅を建築するには人数的に少なすぎますよね。 撤退のリスクはあると思いますが、現実的にはこれまで入居者が撤退を理由に退去したことはありませんし、意外だったのですが、転勤族以外の方も入居されていますので。

-よく分かりました。 最後に、これから新築を建てようと考えている者たちに一言お願いできますか?

小野寺:はい。設備を豪華にするだけでなく、家賃に見合ったグレードを維持するために、掃除やメンテナンスは徹底してやっていますし、 ある程度お金を掛けています。 建てたら終わりではなく、むしろスタートだという意識で経営されれば、 きっとうまくいくと思います。